こんにちは、ゼロ仲介の鈴木です。
マイホーム購入を検討中のみなさん、同じようなエリアで似たような広さの住宅なのに、価格が数百万円も違うことに気づいたことはありませんか?
その差を生み出している大きな要因が「パワービルダー」の存在です。
近年、住宅市場ではパワービルダーのシェア率が年々増加し、地域の中小業者のシェア率は下がり続けています。特に飯田グループといった大手パワービルダーの存在感は圧倒的です。
この記事では、パワービルダーとは何か、なぜ低価格で住宅を提供できるのか、メリット・デメリット、かしこい購入方法までを徹底解説します。
パワービルダーとは
パワービルダーとは、スケールメリットによる建材の大量仕入れに加え、各工程を自社で請け負うワンストップ体制や広告宣伝費等を最小限に抑える努力、経営管理の徹底によって、コストパフォーマンスの高い物件を供給している会社のことを指します。

パワービルダーの最大の特徴は「規模」です
年間数千棟から数万棟という規模で住宅を供給しています。この規模があるからこそできるコスト削減が、低価格の秘密なんです。
具体的には、以下のような特徴を持っています。
- 年間に大量の新築建売を分譲し、規模の経済を利用して住宅を安く販売
- 土地・建坪30坪前後の戸建を2000~4000万円の価格帯で供給
- 年間販売数が非常に多いため、大量発注で材料費を抑え、薄利多売で利益を確保




ほんまに安いけど、「安かろう悪かろう」なんちゃうの?ちょっと不安やわ
そう思われる方も多いと思いますが、安さの理由は単純で、コスト競争力が強いだけです。
年間に数千棟から数万棟という規模で住宅を供給しているため、建材などの仕入れコストが、年間数百棟しか分譲しない会社とは大きく異なります。
代表的なパワービルダー企業
パワービルダーの代表格として知られているのが「飯田グループホールディングス」です。以下の6社から構成されています。
- 一建設(株):リーブルガーデンシリーズ
- (株)飯田産業:ハートフルタウンシリーズ
- (株)東栄住宅:ブルーミングガーデンシリーズ
- タクトホーム(株):グラファーレシリーズ
- (株)アーネストワン:クレイドルガーデンシリーズ
- アイディホーム(株):リナージュシリーズ
飯田グループ以外では、ファースト住建、ケイアイスター、アイダ設計なども有名なパワービルダーです。
飯田グループとは
飯田グループホールディングスは、2013年11月に6社の上場住宅会社が経営統合し、その共同持ち株会社として発足しました。この統合は住宅業界の勢力図を塗り替える一大イベントでした。




飯田グループの規模がどれだけ大きいか、この数字を見てください
飯田グループは1日に約120戸、1年間で約46,000戸以上の住宅を提供しています。これは日本全国で分譲戸建住宅を購入した方々の約30%に相当します。
グループの創業は1967年にさかのぼり、創業者・故飯田一男氏が設立した飯田建設工業(2004年に一建設に社名変更)が原点です。
全国および地域別シェア率
ざっくりとですが、こんな感じです(この図はめちゃ大事ですので、この記事内で何度も出てきます)。
飯田グループ6社の全国シェア率は、**全国の新築建売の約30%**に達しています。2024年3月期決算時の資料によると、詳細は以下のとおりです:
- 関東エリア・東海エリア:シェア率約30%
- 東北エリア・沖縄エリア:シェア率約50%
- 近畿エリアやその他地方エリア:20%未満
関東エリアでは戸建て分譲のシェアが50%近くに達しており、圧倒的な存在感を示しています。
パワービルダーが低価格で住宅を提供できる理由
パワービルダーの住宅が大手ハウスメーカーや中小の工務店と比較して安い理由は、大きく4つあります。




これから説明する4つのポイントがパワービルダーの「低価格の秘密」です
これらは一般の注文住宅では真似できないビジネスモデルになっています。
1. 大量発注によるコストカット・経営管理の徹底
資材の大量発注による規模の経済は、誰でも想像しやすいコスト削減方法です。
しかし、パワービルダーの強みは規模の経済だけではありません。徹底したコスト管理があり、その徹底の仕方が他社と大きく異なります。
同じパワービルダーでもこだわりポイントは若干異なりますが、コスト管理の意識が強い会社ほど、個別の対応をしない傾向があります。
2. 工期の短縮と人件費の削減
パワービルダーは、時間をコストと捉え、工期短縮によるコスト削減に力を入れています。




工期が短いって、手抜き工事ちゃうん?




いいえ、そうではありません
パワービルダーの建物は上棟してから完成までの工期が平均して45日から50日前後であり、ハウスメーカーの約90日と比べてかなり短いですが、これは徹底した工程管理の結果なんです。
土地仕入れから資金回収までのサイクル・在庫回転率を重要な指標として管理し、年間で3回転させることを目標としています。
工期が短くなれば人件費を抑えられるため、コスト削減につながります。
3. 必要最低限の設備と仕様
パワービルダーは、販売において買い手の購入判断に重要なファクターとならない要素はすべて省略しています。つまり、嗜好品的な設備・仕様は最初から取り付けず、無駄を徹底的に省いています。
例えば、床暖房、食洗器、シャッター雨戸、網戸、照明器具などの設備は標準装備されていないことが多く、こういった無駄を省く積み重ねが低価格での販売を可能にしています。




基本性能は妥協していません
特に飯田グループでは、全棟耐震等級3が標準装備になっているなど、基本性能にはこだわりを持っています。
4. 自社施工による中間マージンの削減
パワービルダーは自社に工事部を設け、現場監督が基礎工事・大工工事・設備工事それぞれの職人に直接発注しています。これにより、工務店に丸投げする場合に発生する中間マージンを削減しています。
分譲数が多いため職人に継続的に仕事を提供できることも、安いコストで仕事を受けてもらえる理由です。
パワービルダーの住宅性能
安いからといって性能が劣るわけではありません。多くのパワービルダーは基本性能にこだわりを持っています。
耐震等級や住宅性能評価への取り組み
飯田グループは、2022年4月1日以降に売主として販売契約する分譲戸建住宅は全棟において住宅性能表示制度で4分野の最高等級を取得しています。
ゼロ仲介 鈴木 これは国に登録した第三者機関により評価される信頼性の高いものなので、めちゃ大事なポイントです!
具体的には以下の性能を標準としています。
- 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)等級3:等級1で耐えられる地震力の1.5倍の力に対して倒壊や崩壊等しない程度のレベル
- 耐震等級(構造躯体の損傷防止)等級3:等級1で耐えられる地震力の1.5倍の力に対して損傷を生じない程度のレベル
- 耐風等級 等級2:極めて希に発生する暴風による力の1.2倍の力に対して倒壊せず、希に発生する暴風に対して損傷を生じないレベル
- 劣化対策等級 等級3:3世代(75~90年)まで大規模な改修工事を必要としないレベル
多くの一般的な新築建売住宅では、住宅性能評価はついておらず耐震等級は建築基準法ギリギリの耐震等級1相当であることを考えると、パワービルダーの住宅性能は決して低くないと言えます。
品質管理と第三者機関による検査
パワービルダーの建売住宅は、徹底した施工管理に加え、すべての物件が第三者機関の検査を受けています。
「基礎配筋検査」「構造検査」が行われ、さらに役所の最終検査に合格したことを証明する「検査済証」も発行されます。




でも、安すぎるものには何か裏があるんちゃうかな?何かを犠牲にしてるように思えるねんけど
これらの検査はパワービルダーの物件だけでなく、ハウスメーカーの注文住宅も、地元の工務店の建売住宅・注文住宅も全て同じ基準で実施されるものです。パワービルダーだからといって検査基準が甘くなるわけではないんです。
パワービルダー住宅購入のメリットとデメリット
メリット
- 圧倒的な価格の安さ:同等の建物を注文住宅で建てると数百万円から1000万円以上高くなることも
- 土地情報の豊富さ:大量に土地を仕入れているため、良質な土地情報が集まる
- 基本性能の高さ:耐震等級3や住宅性能評価書の取得など、基本性能は確保
- 企業の安定性:大手企業のため、アフターサービスなども安心
- 工期の短さ:着工から完成までの期間が短く、早く入居できる
デメリット
- 個性の乏しさ:量産効果でコスト削減をしている分、外観や間取りの自由度は低い
- 設備・仕様変更の制限:徹底したコスト管理のため、設備や仕様の変更に対応できないことが多い
- オプション費用の発生:網戸や照明器具など、通常なら標準装備の設備がオプションになっている場合がある
- 現場監督による品質のばらつき:供給戸数が多いため、現場監督によるあたりはずれの可能性は否定できない




結局のところ、コスト削減のためにカスタマイズ性を犠牲にしているんです
自分のこだわりが強い方にはデメリットになりますが、コストパフォーマンスを重視する方にはメリットですね。
向いている購入者層
パワービルダーの住宅は、以下のような方に特に向いています。
- 初めての住宅購入で予算を重視する方:年収500万円前後の一次取得者層
- 基本性能は確保しつつ価格を抑えたい方
- 個性的なデザインよりも実用性を重視する方
- 早期に入居したい方
一方、以下のような方には不向きかもしれません。
- 高いデザイン性や個性を求める方
- 細部までこだわりたい方
- 高級設備を標準で取り入れたい方
パワービルダーの価格改定と値引き交渉
価格改定のパターンと理由
パワービルダーの大きな特徴として、価格改定のスピードが地場の不動産会社と比較して圧倒的に早いことが挙げられます。
ゼロ仲介 鈴木 パワービルダーは在庫回転率を最重視しています。「売れない在庫=金利の負担=利益の減少」と考えるので、値下げの決断が早いんです。これは購入者にとってはチャンスになります!
一般的には以下のようなパターンで価格改定が行われます。
- 更地の状態:当初価格(例:2880万円)
- 建築中:やや値下げ(例:2680万円)
- 完成時:さらに値下げ(例:2580万円)
- 完成から1ヶ月後:大幅値下げ(例:2380万円)
パワービルダーは土地を仕入れてから完成引き渡し(資金回収)までの期間を半年以内で完了することを基本に事業を進めています。「完成した建物=資金が寝ている」と考え、建物が完成したら値下げして早期の資金回収を図ります。
決算期や物件の状況による値下げタイミング
飯田グループの決算期は3月であり、決算期はお得に購入できるチャンスです。3月の決算期になると、毎週のように土日の販売状況を見ながら、値下げのタイミングを図っています。
また、一般的に完成から3ヶ月経過すると「完全に売れ残り」という意識に切り替わり、大幅な値下げが行われることもあります。一方、中小の分譲会社では値段を下げずに粘り強く営業する傾向があります。
効果的な値引き交渉の方法




値引き交渉って、どうやったらええんやろ?恥ずかしくて言い出せないねん
パワービルダーの住宅でも価格交渉は可能ですが、口頭では行えず、専用の書面(買付証明書・不動産購入申込書)に希望条件を記入して売主側へ提示する必要があります。




値引き交渉の4つのポイントを押さえてください
効果的な価格交渉のポイントは以下の通りです。
- 契約予定日は早めに設定:一週間以内など早期の契約予定日でないと価格交渉に応じてもらいにくい
- 住宅ローン事前審査を済ませておく:仮承認を取っておくことで、売主側の安心感が増す
- 値引き額は現実的に:通常は端数と呼ばれる部分から100万円程度が限界
- タイミングを見極める:完成直後や在庫期間が長い物件は交渉の余地が大きい
ただし、問い合わせが多い人気物件の場合は、一切値下げに応じてもらえない場合もあります。
仲介手数料の節約方法
パワービルダーは経営合理化のため、自社で営業マンを抱えず、仲介会社に販売を任せていることが多いです。つまり、パワービルダーの新築一戸建てのほとんどは仲介物件です。




マイホーム購入で大きく節約できるポイントがここです
どの仲介会社を通して購入するかによって諸費用の総額が大きく変わります。仲介手数料が無料または割引になる仲介会社を選ぶことで、数十万円の節約が可能です。
インターネットやSNSで仲介手数料無料のキャンペーンを行っている会社を探すのも一つの方法です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。パワービルダーは、規模の経済と徹底したコスト管理によって、低価格で基本性能の高い住宅を提供しています。
全国シェアの約30%を占める存在に成長した背景には、多くの購入者のニーズに合致したビジネスモデルがあります。
パワービルダーの住宅を検討する際のポイントは以下の通りです。
- 基本性能は十分確保されており、特に耐震性能などは高水準のケースが多い
- 価格改定のタイミングを見極めることで、さらにお得に購入できる可能性がある
- 個性やカスタマイズ性を求めるなら、インスペクション(住宅診断)の活用も検討する




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マイホーム購入は人生最大の買い物の一つです。パワービルダーの仕組みや特徴を理解した上で、自分のニーズや優先順位に合った選択をすることが大切です。パワービルダー物件の購入をご検討の方は、ぜひ当社ゼロ仲介までお気軽にご相談ください。
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記事作成者:鈴木 宏治