こんにちは。ゼロ仲介の鈴木です。

「市街化調整区域」って言葉、物件情報を見ていて目にしたことありませんか?




なんか建ててはいけない場所なのに、なぜ新築が建ってるの?




将来、建て替えできるの?
なんて疑問をお持ちの方も多いと思います。
実は、市街化調整区域に建つ新築建売住宅には知られざるメリットがたくさんあるんです。
市街化調整区域とは何か?シンプルに解説
市街化調整区域って聞くと難しそうですが、ざっくり説明すると以下の2つに分かれます。
- 市街化区域 ⇒ 建物を建てていいところ(促進)
- 市街化調整区域 ⇒ 建物を建てちゃダメなところ(抑制)




市街化調整区域が存在する理由は2つあります
- ①市街地のコンパクト化
-
行政としては、住民が散らばって住むと、道路や上下水道などのインフラ整備にコストがかかります。
効率よく行政サービスを提供するために、ある程度集中して住むエリアを決めています。
- ②自然環境の保護
-
田畑や山林などの自然環境を守るため、むやみに建物が建つのを防ぐ目的もあります。




建物建てたらアカン場所やのに、なんで新築一戸建てが売られてんの?怪しくない?
いい質問です。
そこが市街化調整区域の物件を理解する大事なポイントなんです。
調整区域に建つ素敵な新築住宅の秘密
市街化調整区域に新築住宅が建っているのは、下の2つのケースがほとんどなんです。
① 開発許可で建築されているケース
開発許可とは、かんたんに言えば「特別にOK」が出ているケース。




市町村の方針として、人口を増やしたいなどの理由から、市街化調整区域でも建築していいと「特別許可」を出すことがあります
こういった物件のイメージとしては、田んぼの真ん中に10区画ほどの新築一戸建てが立ち並ぶような場所です。
行政のお墨付きがあるので心配ないんです。
② 既存宅地で建築されているケース
もう一つは既存宅地による建築です。




「前からそこに家があったから建てていい」という理由で許可されたケースです
市街化調整区域に指定される前(昭和45年11月23日より前)から建物があった土地では、その建物を壊して新しく建て直すことが認められています。
こういう物件は、古い住宅街の中に1件だけ新築が建っているようなイメージです。
見逃せない!市街化調整区域の新築住宅の5つのメリット
市街化調整区域の新築住宅には、実は見逃せない魅力がたくさんあります。




市街化調整区域の新築住宅の5つのメリットです
- ① コストパフォーマンスの高さ
-
同じ予算でより広い家や土地を手に入れられる可能性があります。
市街化調整区域の土地は市街化区域と比べて価格が安いケースが多く、中には10分の1程度の価格で購入できることもあります。
- ② 税金負担の軽さ
-
固定資産税が安い傾向があります。
また、都市計画税がかからない場合も多いため、長期的に見ると住宅維持コストが抑えられます。
- ③ 豊かな自然環境と静かな住環境
-
市街化調整区域はもともと自然を保護する目的もあるため、緑が多く、空気がきれいで、騒音も少ない環境であることが多いです。
- ④ 広い敷地と駐車スペース
-
調整区域の物件は敷地が広いケースが多いです。
例えば、加須や鴻巣の物件では駐車場が3〜4台置けるスペースがある物件も珍しくありません。
- ⑤ 子育て世帯に優しい環境
-
静かな環境で、広い庭や周辺の自然を活かして、子どもがのびのびと育つ環境を作りやすいです。




広い土地で駐車場もたくさんあって、税金も安いって、めっちゃええやん!でも何かデメリットもあるんちゃうん?
その通り。
メリットがある一方で、購入前に確認しておくべきことがいくつかあります。
購入前に確認したい現実的な注意点




市街化調整区域の物件を検討する際は、この3つのポイントを必ず確認してください
- ①インフラ整備状況の確認
-
市街化調整区域では、上下水道やガスが通っていないことがあります。
プロパンガスや浄化槽を使用しているケースも多いので、その維持管理費用も考慮しましょう。
- ②日常生活の利便性
-
市街化調整区域は基本的に「車を使う生活が当たり前」のエリアです。
近くにスーパーやコンビニなどの生活施設がないことも多いため、車での移動を前提とした生活スタイルに適応できるかを考えましょう。
- ③将来の建て替えに関する情報
-
市街化調整区域の性質上、将来の建て替えについて不安に感じる方もいます。
しかし、適法に建てられた住宅であれば、基本的には次も建築許可が下りると考えられます。
ただし、市町村によって条件が異なるため、事前に確認しておくと安心です
市街化調整区域の新築建売は本当に安いの?
「市街化調整区域の物件はきっと安いはず」と思われがちですが、実際はそう単純ではありません。




市街化調整区域の物件が安いのは主に「建築できない」からです
しかし、建築可能な市街化調整区域の物件は市街化区域並みの価格で取引されていることもあります。
価格は主にこんな要素で決まります。
- 都心からの距離や交通の便
- 周辺環境(商業施設や学校の有無など)
- 物件自体の広さや設備




調整区域やからって必ずしも安いわけちゃうんやな。立地とか周辺環境もめっちゃ大事やな
その通りです。
市街化調整区域だからといって必ずしも安くはありません。
でも、同じ条件なら市街化区域より割安になる傾向はあります。
将来も安心して住み続けるために
市街化調整区域の住宅を購入する際、将来の不安を感じる方も多いでしょう。
特に「次も建て直せるのか」というのが一番気になりますよね。




建て替え時の基本的な権利について、ここだけの話ですが、実はほとんど心配ありません
基本的には、一度建築許可が出た土地では、同種同規模の建物であれば建て替えが可能なケースが多いんです。
ただし、市町村によって条件が異なることもあります。例えば、
- 最低敷地面積(例えば、さいたま市の場合は150㎡以上)
- 既存宅地の場合、以前あった家と同種同規模の物しか建てられない




行政側も「ここに住んでいいよ」と言っておきながら、後から「建て替えダメ」とは言いにくいんです。住民からの猛反発があるからです
市街化調整区域の新築一戸建てを選ぶ際の3つのポイント
最後に、市街化調整区域の新築一戸建てを選ぶ際の重要なポイントをまとめました。
物件がどのような許可で建築されているかを知ることがまずは大事です。
開発許可なのか既存宅地なのか、そしてそれぞれにどのような条件が付いているのかを確認ししてください。
物件周辺の環境や将来計画もチェックしてください。具体的には、
- 周辺の開発状況(新しい住宅が増えているか)
- 自治体の都市計画(今後の開発予定はあるか)
- 公共交通機関や道路の整備計画
最終的には、自分たちが本当にそこに住みたいと思えるかが最も大事。
週末だけでなく平日も含めて、朝・昼・夜と異なる時間帯に何度か足を運び、生活のイメージを膨らませてみてください。




役所で直接聞くって、ちょっとハードル高いなー。何て聞いたらいいん?




「この物件は市街化調整区域ですが、どのような許可で建てられているのでしょうか?将来、建て替える際に何か制限はありますか?」と聞けばOKです。都市計画課や建築指導課が窓口になることが多いです
まとめ
いかがでしたでしょうか。
市街化調整区域の新築住宅は、正しく選べば多くのメリットがある選択肢です。
広い土地、豊かな自然環境、静かな住環境、そして場合によっては価格面でのメリットも期待できます。
もちろん、インフラや生活利便性、将来の建て替えなど、確認すべき点もあります。しかし、これらを事前にしっかりリサーチすれば、市街化調整区域ならではの魅力的な暮らしを実現できるはず。
最後に3つの手順をもう一度おさらいします。
手順をきちんと守れば、市街化調整区域の新築住宅選びは、かなりの確率で成功するはず。
不動産購入は人生の中でも大きな決断の一つです。
信頼できる不動産会社に相談し、専門家の意見も参考にしながら、納得のいく選択をしてください。
市街化調整区域の建売住宅が、あなたとご家族の理想の住まいとなりますように!