こんにちは。ゼロ仲介の田中です。
住宅ローンの借入時に必要な保証料ってご存じですか?
そもそも保証料って何?
そんな方はまずはこちらを!
▶参考記事:保証料についてはこちらの記事にくわしく書きました。
保証料とは、金融機関が用意する保証会社に支払うもので、これによって連帯保証人の役割をしてもらうのです。
2017年からネット銀行以外でも、この保証料を必要としない「融資手数料型」といわれる手続き方法が出てきました。
この「融資手数料型」について、くわしく書いてみます。
▶元・三井住友銀行住宅ローン融資担当、ファイナンシャルプランナーのゼロ仲介田中のくわしいプロフィールはこちら
「融資手数料型」と「保証料型」について
住宅ローンを比較する上で、ややこしいのは保証料の扱いが金融機関によって異なることです。
金融機関によって保証料が必要だったり、不要だったり。
その昔、保証料を払って保証協会に加入するか、連帯保証人を立てるか選択できました。
保証料はかなりの金額になるとのことで、親に連帯保証人になってもらって保証料を節約する人も結構いたわけです。
一般的な銀行で住宅ローンを借り入れる際には、保証料を保証会社へ支払って、保証会社と保証委託契約を結ぶのが必須条件となるケースが多くなっています。
2019年7月現在、連帯保証人を立てるので保証料を払わない、なんていう事はまずできないんですね。
というわけで、まずは、
- 保証料型
- 融資手数料型
がどういう位置関係にあるのか、を整理してみます。
この図のような関係です。
まずは、保証料型と融資手数料型のどちらにするか決めます
で、保証料型に決めたら、その次に保証料を外枠か内枠にするかを決めるわけやな
というわけで、保証料型・融資手数料型を説明していきます。
(1)「保証料型」とは
ひとことで言うと、、
- 保証料が必要(借入金額の約2%)
- 事務手数料が必要(32,400円~54,000円・金融機関によってちがう)
で金融機関から住宅ローンを借り入れる仕組みのことです。
まずは、こちらが元々ある仕組み。
保証料型を理解しないと、融資手数料型がどんなものなのかは、わかりません
*保証料型の「外枠方式」と「内枠方式」
保証料型では、保証料の支払い方法は2種類あります。
- 現金一括で払う方法(=外枠方式といいます)
- 金利 0.2%上乗せして払う方法(=内枠方式といいます)
外枠方式と内枠方式、最後まで借りた場合に、どちらが総支払額が少ないのかは下の記事でシミュレーションしてみました。
▶参考記事:保証料の外枠・内枠とは?どっちが得かシミュレーションについてはこちら。
(2)「融資手数料型」とは
ひとことで言うと、
- 保証料は不要
- 事務手数料が必要(借入金額の約2%)
で金融機関から住宅ローンを借り入れる仕組みのことです。
そもそも融資手数料型は、ネット銀行発祥の仕組みです。
保証料型を採用している多くの金融機関とちがい、多くのネット銀行では、保証料は不要です。
*この場合、そもそも第三者(保証会社)と保証委託契約を結ぶ制度がなく、保証会社をつけずに金融機関(銀行)が融資します。
ただし、事務手数料が保証料と同じくらい必要になる場合(どちらも約2%必要)もあり、保証料不要の融資手数料型の方がトータルの諸費用が安いとは一概には言えません。
融資手数料型は、従来である「保証料型」で必要だった保証料を不要にして、保証料型よりも金利を引き下げ、ネット銀行の低金利住宅ローンへ対抗するための商品なんです。
保証料が不要になったら、金利が下がるん?
そうなんです、戻し保証料がない分、金利を引き下げることができるんです
なるほど、途中で一括で繰り上げ返済したときにはお金戻ってこないんやな
(3)「融資手数料型」と「保証料型」の同じところ、ちがうところ
融資手数料型と保証料型、それぞれの内容を説明したところで、2つのちがいをまとめてみます。
図に書いたらこんな感じです。
保証料型と融資手数料型は、保証料と融資事務手数料の関係が逆転した仕組みです。
りそな銀行の場合を例に表にしてみました
借入期間35年の場合な
保証料型 | 融資手数料型 | |
---|---|---|
金利 | 0.525% | 0.470% |
保証料 | 借入額×2.0614% | 0円 |
融資事務手数料 | 32,400円(税込) | 借入額×2.16% |
戻し保証料 | あり | なし |
審査するのはどこ? | 保証会社 | 保証会社 |
抵当権を設定するのは? | 保証会社 | 保証会社 |
保証会社との第三者委託契約は? | 必要 | 不要 |
*知らなくていい細かい話
「融資手数料型」といっても保証会社との第三者委託契約はありませんが、
- 審査するのは保証会社
- 抵当権の設定も保証会社
と、保証料型と形式的な差はあまりありません。
「融資手数料型」のメリット・デメリット
融資手数料型のメリット・デメリットをまとめました。
(1)メリット
融資金利が低い(保証料型に比べて)
金利の低さ(保証料型に比べて)が最大のメリットです
(2)デメリット
・融資事務手数料の分割支払いはできない(保証料型の内枠方式にあたる支払い方式がない)
・繰り上げ返済をした場合に戻し保証料がない
戻し保証料は、次で説明してるで
「融資手数料型」と繰り上げ返済の関係
(1)繰り上げ返済
融資手数料型は、繰り上げ返済する場合に大きな影響があります。
① 「保証料型」と繰り上げ返済
まずは、保証型の場合で繰り上げ返済をした場合、どうなるのかというと。
たとえば3,000万円の借り入れ(35年・元利金等返済)をした場合に、
→ 一括で支払う保証料(保証料型・外枠)は約62万円
→ 繰り上げ返済をして10年後に完済(10年で完済)する
→ 保証料が約22万円戻ってきます
この戻ってきた保証料を「戻し保証料」と呼んでいます
ちなみに、繰り上げ返済ではなく、借り換えや買い替えをするために途中でローンを一括返済した場合でも、保証料は残り期間分の戻し保証料を受け取ることができます。
② 「融資手数料型」と繰り上げ返済
次に融資手数料型で繰り上げ返済をする場合です。
融資手数料型の場合、保証料がそもそも不要で、融資事務手数料のみが必要です。
注意しないといけないのは、この融資事務手数料は、途中で住宅ローンを完済しても、保証料型の保証料のように一部返金されるような事はありません。
ということは、繰り上げ返済をしようと思っている人は、融資手数料型を選んでいいん?
そうです、融資事務手数料は返ってこないですから
(2)繰り上げ返済による戻し保証料のシミュレーション
2019年2月現在、都市銀行で借り入れた場合(保証料型)、戻し保証料をシミュレーションしてみます
▶参考:3,000万円を35年・元利均等返済で借り入れをした場合
→ 借り入れ時の保証料 61万8,300円(外枠方式・一括前払い)
戻し保証料額 | |
---|---|
5年後 | 38万1,770円 |
10年後 | 22万6,720円 |
15年後 | 12万4,230円 |
20年後 | 6万0,200円 |
25年後 | 2万3,500円 |
均等に返ってくるわけちゃうねんな
「融資手数料型」と「保証料型」、どっちが得?
で、結局どっちが得なん?
そう、みなさん、これを思いますよね
結論を先に書くと、35年で借り入れた場合、繰り上げ返済して
- 13年未満で完済 → 保証料型の方が得
- 13年~35年で完済 → 融資手数料型の方が得
となります。
2019年2月現在、りそな銀行の金利で計算をすると、借入金額にかかわらず、35年で借り入れた住宅ローンを13年未満で返済すれば、戻し保証料によって保証料型の金利で借り入れをしても得になります。
13年を超えて完済する場合は、戻し保証料を考えても、融資手数料型で借り入れた方が得になります。
なるほど
「融資手数料型」を選べる金融機関
2019年2月現在、ネット銀行以外で融資手数料型を選べる銀行はこちら。
それぞれの金利を書きますね
(1)りそな銀行
融資手数料型 0.470%
保証料型 0.525%
▶参考記事:りそな銀行住宅ローンの徹底解説はこちら
(2)三井住友信託銀行
融資手数料型 0.475%
保証料型 0.575%
▶参考記事:三井住友信託銀行住宅ローンの徹底解説はこちら
(3)近畿大阪銀行
融資手数料型 0.565%
保証料型 0.595%
▶参考記事:近畿大阪銀行住宅ローンの徹底解説はこちら
どの銀行も保証料型に比べて、融資手数料型の方が金利は低いな!
まとめ
住宅ローン比較検討する際は、金利以外に諸費用も考慮する必要があります。
もっと言うと、物件価格+諸費用+利息の総費用で検討するべきかもしれません。
都市銀行とネット銀行で迷ったときには、最終的な決め手の1つとして、戻し保証料があるかどうか、チェックしてみてください。
35年と言う長い返済期間の中で、ライフプランにどんな変化が起こるか予想できません。
初めから10年後には転売することを考えているなら別ですが、そうでなければ色んなパターンを検討しておく必要があります。
もし保証料型と融資手数料型を選択できる金融機関で住宅ローンを借り入れる場合は、メリット・デメリットを理解してどちらにするか選択する必要があります。
必見!新築一戸建ての購入を検討されている方へ
融資手数料型で住宅ローンの借り入れを検討しているなら、購入時の仲介手数料は節約できるかもしれません。
そんな関西の新築一戸建てを仲介手数料0円で紹介するサービス、ゼロ仲介を始めました。
くわしくは、下のリンクからどうぞ!