パワービルダーとは?建売住宅の価格を支える3つの仕組み

こんにちは。

新築一戸建てを仲介手数料0円で購入できる「ゼロ仲介」を運営しています、株式会社グラウンドの鈴木です。

新築の建売のお家がほしくなり、いろいろと調べていたら必ず登場してくるコトバ、「パワービルダー」。

ヒガシノさん

パワービルダーってなんやねん!

って思われている方も多くいると思います。

そして、ほかの新築一戸建ての物件よりも数百万円も安価で販売している「パワービルダー物件」。

いったい「パワービルダーとは何者なんでしょうか?」

そして、「物件価格がほかの物件とくらべて安価になるという、その価格の理由は何でしょうか?」

その正体と理由がわからないと、

ヒガシノさん

なんか怪しい不動産会社

ヒガシノさん

安い = 粗悪品な物件を扱っている

…なんて思ってしまいますよね。

この記事では、「パワービルダー」について、

  • 「パワービルダー」のコトバの意味
  • ほかの物件とくらべて物件が安くなる仕組み
  • パワービルダーの分譲会社一覧
  • 2025年の最新動向と市場変化

など、くわしく解説していきたいと思います。

この記事の目次

「パワービルダー」とはいったい何?

ヒガシノさん

てうか、パワービルダーて何?

ゼロ仲介 鈴木

まずはそこからですよね

ウィキペディアではこう書いてます。

パワービルダーとは、一般には住宅一次取得者層をターゲットにした床面積30坪程度の土地付き一戸建住宅を2,500~3,500万円程度の価格で分譲する建売住宅業者を指している和製英語である。

Wikipediaより

かんたんに要約して箇条書きにしてみると、こんな感じ。

  • 床面積30坪(約100㎡)くらいの
  • 土地付き一戸建てを
  • 土地+建物=3,000-4,000万円の価格で(2025年は物価高の影響で価格帯が上昇)
  • 年間1000戸以上分譲している
  • 建売住宅の分譲会社

です。

ヒガシノさん

「3,500万円くらいでたくさん分譲している建売住宅の会社」ということか。

ゼロ仲介 鈴木

そうです。東京・大阪だと5,000万円を超える新築一戸建ても販売していますが、3,500万円前後が最多価格帯です。

2020年以降の建材価格高騰や人手不足の影響で、以前よりも価格帯が上昇傾向にあります。

都心部では多い「建築条件付き土地」と、「建売住宅の未完成物件」とはちがいます。

そんな、パワービルダーの会社名を書いてみます。

(1)大阪で多く分譲しているパワービルダーの一覧

  • 一建設(はじめけんせつ)
  • アーネストワン
  • 飯田産業(いいださんぎょう)
  • 東栄住宅(とうえいじゅうたく)
  • オリエンタル・ホーム
  • アイディホーム
  • タクトホーム
  • ファースト住建
  • メルディアDC
  • ケイアイスター不動産(2023年以降、西日本エリアに進出)

だとしても、どうして3,500万円くらい(土地+建物+外構費)で販売できるのでしょうか。

そこが知りたいですよね!

その理由については、次の段落でくわしく説明していますので、ご覧ください。

「パワービルダー」の建売物件の販売価格を支える3つの仕組み

それでは、気になる「パワービルダー」の建売住宅の物件価格が成り立つ仕組みについてご説明していきます。

一般的な他の新築一戸建ての物件価格よりも1,000万円近く安く購入できる「パワービルダーの建売住宅」。

それは、完成された「3つの仕組み」で成り立っています。

ゼロ仲介 鈴木

この仕組みがすごいんです。

【仕組み1】大量仕入れ=仕入れ額が安価につながる

「パワービルダー」と呼ばれている会社は、年間数千棟を分譲しています。

その仕入れ予定数は、地元の工務店とはくらべものにならないくらいの相当な数です。

ちなみに、地元密着で建売住宅を分譲している工務店の年間分譲棟数は、多くて「30棟」くらい

ゼロ仲介 鈴木

これでもめっちゃ多いです

たとえば、2024年の大手パワービルダーの売上額は「3,000億円」を超える会社も。

これだけの売上げを誇る組織であれば、材料の「大量仕入れ」で当然原価は安価になります。

特に2023年以降は、木材や鉄骨などの資材高騰の中でも、スケールメリットを活かした仕入れができるパワービルダーの強みが際立っています。

【仕組み2】ムダのない施工体制

「ムダのない、スキマのない段取り」で、人件費・時間というコストを抑える仕組み・システム・マニュアルができあがっています。

ハウスメーカーで施工すると工期が「90日」くらいですが、パワービルダーの標準工期は「40日

ICT技術の活用や、施工プロセスのさらなる標準化により、以前の平均49日からさらに短縮されています。

徹底的にムダを省くと、工期をここまで短縮できるんです。

【仕組み3】職人さんとの取り決め単価

「豊富な現場を持つ=職人さんに途切れない仕事を提供できる」という仕組みが成り立ちます。

通常、職人さんは「日当◯万円」という賃金ですが、パワービルダーは1棟で「◯◯万円」という設定をしています。

これによって、ムダのない効率の良い仕事を進めています。

早く仕上げれば、それだけ稼げる。

現場が豊富にあるからこそできる取り決めです。

(追記)2025年の新たな動き:デジタル化による効率化

近年、パワービルダー各社はDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組んでいます。

  • BIM(Building Information Modeling)の導入による設計・施工の効率化
  • AI管理システムによる現場監督業務の効率化
  • ドローンを活用した建設現場の管理

これらのデジタル技術の導入により、人手不足が深刻化する建設業界においても、安定した供給と品質を維持しています。

ゼロ仲介 鈴木

どうでしょうか。
年間建設棟数の多い会社だからこその仕組み。
だから他の物件と比べて「販売価格」を抑えることができます。

ヒガシノさん

なるほどなー。
でも、そんなに効率化された仕組みであれば、物件の品質とか大丈夫なのかな…。
そのあたり気になる。

ゼロ仲介 鈴木

そのあたりは次の段落でご説明していきますね。

「パワービルダー」の建売住宅は不安?心配ですか?評判を知りたい

前述のとおり、「パワービルダー」の新築一戸建ての物件価格が相場より安い「理由」とその「仕組み」はわかっていただけたと思います。

だとしても、だとしてもやっぱり建物は大丈夫なんですか…?

ここでは、「パワービルダー」の建売住宅はに関する不安点・心配点・評判について説明します。

ヒガシノさん

安いのは嬉しいけど大丈夫なのかなって思ってしまうわ。

ゼロ仲介 鈴木

なのでそのあたりの説明は以下をご覧になって判断してみてください。

「パワービルダー」の建売住宅は、施工マニュアルは当然ですが、すべての物件は第三者機関の検査が実施されています。

その第三者機関がする検査はこのふたつ。

  • 基礎配筋検査
  • 構造検査

そして、役所の最終検査も合格した証明である「検査済証」も発行されるので、安心といえるのではないでしょうか。

この第三者機関の「検査基準+役所の検査基準」は、パワービルダーの物件だけでなく、ハウスメーカーの「注文住宅」・地元の工務店の「建売住宅」と「注文住宅」でもすべての新築一戸建ては同じ基準でチェックします。

さらに、ほとんどの「パワービルダー」は、サポートセンター・専門のコールセンターでアフターフォローにも力を入れています。

会社によっては、「24時間対応のコールセンター」を設置しているところもあります。

2024年からは多くのパワービルダーが「住宅履歴情報(いえかるて)」の提供も始めており、長期的な住宅の維持管理をサポートする体制も整ってきています。

ヒガシノさん

第三者機関のチェックと、役所のチェックをきちんとクリアしてるやん。
これやったら安心できるかも!?

ゼロ仲介 鈴木

そうですね、ポイントは、「パワービルダーの建売住宅」でも、ハウスメーカーの「注文住宅」・地元の工務店の「建売住宅」と「注文住宅」でも、第三者機関の「検査基準+役所の検査基準をクリアしてる」という点が同じで、そこが特に信頼できるポイントですね。

ZEH対応とエコ住宅への取り組み

2023年以降、パワービルダー各社は省エネ住宅の標準化に積極的に取り組んでいます。

  • ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様を標準採用する会社が増加
  • 太陽光発電システムの標準装備またはオプション提供
  • HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の導入
  • 蓄電池のオプション提供

2025年の省エネ基準義務化に対応し、パワービルダー各社は高断熱・高気密住宅の提供を強化しています。これにより、ランニングコストの削減や住み心地の向上といった付加価値も提供できるようになっています。

「パワービルダー」の年間建設数はどれくらい?

仕組み化された「パワービルダー」の物件ですが、年間を通してどれくらいの数が建てられているのでしょうか?

ここでは、「パワービルダー」の年間建設数を掲載しておきます。

年間棟数1000戸分譲しているというパワービルダー。

実際はどのくらい分譲しているのでしょうか。

(1)パワービルダーの年間建設棟数のランキング(最新)

社名建設棟数
一建設7,980
アーネストワン7,850
飯田産業7,230
東栄住宅3,540
タクトホーム2,580
ケイアイスター不動産2,350
ポラスグループ2,120

(2024年度 建売供給ランキング推計)

実際は「1,000戸」どころではありません。

業界トップの建設棟数(2024年)の一建設は「7,980棟」も分譲しています。

ヒガシノさん

1年間に7,980棟!

ゼロ仲介 鈴木

さっきも書きましたが、地元の工務店で多くて年間分譲棟数30棟です。

ヒガシノさん

建売住宅は、「パワービルダー」の物件を探すほうが、選択肢が増えそうやな!

ゼロ仲介 鈴木

それも建売住宅をお探しの方の有効な手段ですね!

「パワービルダー」の分譲住宅の探し方は?

それでは、「パワービルダー」の建売住宅をどのように探せばよいのか、についてご説明していきたいと思います。

ヒガシノさん

それって簡単にわかるもんなん?

「パワービルダー」の建売住宅の物件かどうか、かんたんに見分けるポイントがあります。

「パワービルダー」の会社は、それぞれ独自のシリーズ名で分譲しており、知名度が上がってきた最近はポータルサイトにシリーズ名が入っていることも多いですよ。

特に、パワービルダーの最大手「飯田グループホールディングス」は、TVCMなども積極的に展開しています。

最近では物件情報サイトの検索条件に「建築会社で探す」という項目もあり、そこからパワービルダー各社を選んで物件検索することも可能になっています。

ヒガシノさん

見たことあるかも!

以下では、「パワービルダー」の建売住宅の探し方をご紹介しておきます。

(1)飯田グループホールディングス運営「すまいーだ」の物件検索サイトからも調べると便利!

この次にご紹介する、飯田グループホールディングスの「パワービルダー」の建売住宅の全国の情報をこちらのサイトで検索することができます。

主要パワービルダー各社の最新情報

2025年現在、主要パワービルダー各社のシリーズ名と特徴をご紹介します。

一建設(はじめけんせつ)

  • シリーズ名:「リーブルガーデン」
  • 特徴:ZEH対応、スマートホーム機能標準装備

アーネストワン

  • シリーズ名:「クレイドルガーデン」
  • 特徴:省エネ住宅、家事動線を重視した間取り

飯田産業(いいださんぎょう)

  • シリーズ名:「ハートフルタウン」
  • 特徴:太陽光発電システム標準搭載、全館空調オプション有

東栄住宅(とうえいじゅうたく)

  • シリーズ名:「ブルーミングガーデン」
  • 特徴:エコ住宅、耐震等級3相当の構造

タクトホーム

  • シリーズ名:「グラファーレ」
  • 特徴:アプリ連携型スマートホーム、IoT対応

ファースト住建

  • シリーズ名:「ファーストタウン」
  • 特徴:高耐震・高断熱仕様、オリジナル外壁

ケイアイスター不動産

特徴:地域密着、コストパフォーマンス重視
シリーズ名:「フィットハウス」

2025年のパワービルダー市場の変化と今後の動向

1. リモートワーク対応間取りの増加

コロナ禍以降定着したリモートワークに対応するため、パワービルダー各社は「在宅ワークスペース」を確保した間取りを積極的に提案しています。

書斎コーナーや可変式ワークスペースの設置など、新しい生活様式に対応した住宅が増加しています。

2. 郊外エリアへの展開強化

都心部の地価高騰を受け、パワービルダー各社は郊外エリアでの分譲を強化しています。

特に、駅から徒歩15-20分圏内の比較的アクセスの良い郊外エリアでの開発が活発化しています。

3. IoT・スマートホーム標準装備

各社競争が激化する中、差別化戦略として、スマートホーム機能の標準装備化が進んでいます。

スマートロック、スマートスピーカー対応、遠隔操作可能な家電制御など、テクノロジーを活用した住環境の提供が増えています。

4. 環境対応・省エネ住宅への転換

2025年の省エネ基準義務化に対応し、全てのパワービルダーがZEH基準相当または省エネ等級5以上の住宅を標準提供するようになっています。

太陽光発電システムの標準搭載も一部のパワービルダーでは当たり前になってきています。

まとめ

もしかしたら「パワービルダー」のお家は「安い」んじゃなくて、これが「標準」なのかもしれません。

企業努力の仕組み化で成り立ってる価格です。

これまで「パワービルダー」のお家をたくさん「ゼロ仲介」でもお客様に仲介してきたんですけど、みなさん満足して暮らしていらっしゃいます。

「価格が安い=粗悪」て思っていると、ほんと損します。営業マンがきちんと価格の理由を説明するはず。

2025年現在、住宅価格の高騰が続く中、パワービルダーの住宅は「コストパフォーマンスの高い選択肢」として、特に若年層・ファミリー層の住宅購入者から注目を集めています。

省エネ基準への対応やスマートホーム機能の搭載など、時代のニーズに合わせた進化を続けるパワービルダー住宅は、今後も住宅市場の主力商品であり続けるでしょう。

ゼロ仲介 鈴木

納得したら、ぜひ候補に入れてください。
物件選択の幅が広がりますよ。

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ゼロ仲介 鈴木

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【関連情報】「パワービルダー」 に関するお役立ち情報一覧

本記事以外にも「パワービルダー」に関するお役立ち情報を以下でまとめました。

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記事作成者:鈴木 宏治

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