こんにちは、ゼロ仲介の鈴木です。
「新築建売住宅の購入を検討していて、パワービルダーの物件を見ているんですが、値段交渉ってどこまでできるんですか?」
という質問をたくさんいただきます。

例えばこんな相談です
- 飯田グループの物件、100万円値下げされてたけど、まだ下がりますか?
- デッドラインってどこですか?
- いつ値段交渉すれば成功しやすいですか?
- 5,000万円の物件、どこまで下がる可能性がありますか?
実は、パワービルダーの値段改定には明確なルールがあります。
そのルールを知っていれば、値段交渉を有利に進めることができます。
パワービルダーとは何か
まずは基本から。
パワービルダーとは、2000年代から台頭してきた大規模な建売住宅事業者のことです。
代表的な企業は飯田グループですが、その他にも複数のパワービルダーが存在します。




飯田グループって、よく広告で見るやつやんな
パワービルダーの大きな特徴は、一般的な仕様で2000万円から4000万円程度の価格帯をボリュームゾーンとして提供している点です。
この価格帯は多くの住宅購入者にとって手の届きやすい範囲なので、市場で大きなシェアを獲得しています。






パワービルダーのコスト削減の仕組み
パワービルダーはどうして低価格で住宅を提供できるのか。
その秘密は規模の経済(スケールメリット)と徹底した経営管理にあります。
(1) 規模の経済によるコスト削減
パワービルダーは、大量に住宅を供給することで、資材の一括仕入れや工程の標準化を実現しています。
年間に数千戸、数万戸という規模で住宅を供給することで、一戸あたりのコストを大幅に削減できるんです。




これが規模の経済の基本です
(2) 分離発注による中間マージン削減
さらに重要なのが、分離発注という手法です。
一般的な中小業者の場合、工事を一括発注(いわゆる丸投げ)する形で進めます。
しかし、パワービルダーは違います。
パワービルダーは現場監督を直接雇用し、それ以外の専門工事業者には個別に発注します。
具体的には、
- 電気工事業者
- 水道業者
- 大工
- 給排水工事の専門業者
などに、それぞれ直接発注するんです。




へー、めっちゃ細かく分けてるんやな
この分離発注によって、元請け会社に支払う中間マージンを削減することができます。
一括発注の場合、元請け会社が利益を上乗せするため、どうしてもコストが高くなってしまいます。
しかし、分離発注によって中間マージンをカットし、規模の経済とダブルで大幅なコスト削減を実現しているのです。
パワービルダーの利益構造




いきなりなんですが、まずはこれだけを頭に入れてください
値段交渉を有利に進めるためには、パワービルダーの利益構造を理解しておく必要があります。
パワービルダーの利益構造は、大まかに次のようになっています。
利益構造の内訳
- 利益 / 約1割
- 販管費(販売管理費) / 約1割
- 粗利 / 合計2割
販管費とは、事務所の経費や土地仕入れの営業マンの人件費など、事業運営に必要な固定費のことです。
具体例 / 3000万円の物件の場合
売り出し価格が3000万円の物件を例に考えてみましょう。
- 利益 / 300万円(1割)
- 販管費 / 300万円(1割)
- 粗利 / 600万円(2割)
つまり、3,000万円の物件の場合、2,700万円を切ると利益が出ていない状態(原価割れ)となります。




ということは、粗利2割のラインが大事なんやな




その通りです!この粗利2割のラインが、パワービルダーの価格戦略を理解する上で非常に重要なポイントです
値段改定のパターンと実態
代表的なパワービルダーである飯田グループの物件を観察すると、値段改定のスピードが非常に早いことが分かります。
ただし、現場や会社によって値段改定の仕方は異なりますが、一般的なパターンはこんな感じです。
(1) 値段改定のタイミング
ざっくり言うと、この3つです。
- 建物完成時 / 約100万円値下げ
- 建物完成後3ヶ月以内 / 1〜2回の値段改定
- 3ヶ月経過後 / 1〜2ヶ月ごとに値下げ
このパターンで値段改定が進むと、当初の利益300万円はすぐに吹き飛んでしまうことになります。




え、じゃあ赤字になってまうんちゃうん?
(2) 極端なケースも存在する
エリアによっては、粗利の2割を食いつぶすぐらいの金額まで下がっている物件もちらほら見られます。
例えば、3,000万円の物件が2,400万円。
つまり粗利2割を食いつぶしているような極端に値下げされた物件も存在するんです。




それで本当に儲かってるん?
実はトータルで見ると、非常に薄い利益ではあるものの、なんとか黒字になっている状況にあります。



規模の経済がもたらす「副作用」
なぜパワービルダーは、このようなありえない値段改定をしても踏みとどまれるのか。
その理由こそが、規模の経済がもたらす「副作用」、つまり良い意味での効果なんです。
(1) 販管費を回収できれば利益が出る体質に
販管費は年間にかかる固定コストであり、ほぼ一定です。
会社によってコストは異なりますが、ある一定レベルまで供給戸数が増えると、販管費を考慮しなくても利益が出る状態になります。




ここが理解のポイントです
つまり、年間の販管費分を回収してしまうだけの戸数を供給してしまえば、それ以降は販管費分を考慮しなくても問題ないということです。
このレベルにたどり着くことができれば、無茶な値段改定をしたとしても利益を出すことができる企業体質になります。




なるほど!だから飯田グループみたいな大手は、めっちゃ値下げできるんやな
(2) 中小業者には真似できない理由
このような無茶な値段改定ができるのは、規模の経済を追求しているからこそできる技です。
中途半端な供給個数でやっている建売会社や地元の工務店の場合、こういうことは絶対にできません。
中小業者の場合、もともと粗利が確保できていない状態で土地を仕入れていることも結構あるため、一度値段改定するだけでもきつい状況になってしまいます。




そういった意味では、規模の経済を追求している会社の方が値段交渉はしやすいと言えます
絶対に守られる「デッドライン」
無茶な値段改定をするパワービルダーでも、絶対に守るデッドラインが存在します。




このラインを理解することが、値段交渉を成功させる鍵です
(1) 粗利のラインは絶対に割らない
パワービルダーは、売り出し価格から大体2割ぐらい下がった金額になった時、値段改定の動きがピタッと止まります。
そしてこのラインからは、ほぼ値段改定はしません。
値段改定の動きをずっと分析していると、このラインは絶対に割っていないことが分かります。
(2) 具体例 / 3000万円の物件のデッドライン
3,000万円の物件の場合、粗利のラインは2割、つまり600万円です。
したがって、600万円を引いた2,400万円のラインを割って値段改定することはありません。




ということは、2400万円まで下がったら、もうそれ以上は無理ってことやな
(3) デッドライン付近での値段交渉は成功しない
このデッドライン付近の金額で値段交渉をしたとしても、絶対に成功することはないと思っていただいた方が良いでしょう。
この付近で担当者に話をすると、「もう一切できません」と言われることが基本的に多いです。




デッドライン付近での交渉は時間の無駄になります
(4) 売主不動産会社によって異なるデッドライン
ただし、すべての売主不動産会社が2割のデッドラインというわけではありません。
- 販管費分を回収しきれるぐらい供給している会社 / 2割がデッドライン
- そこまで戸数供給していない会社 / 1割がデッドライン
売主不動産会社の規模や供給戸数によって、1割もしくは2割のラインを死守しようとするということになります。
値段交渉で押さえるべき2つのポイント
パワービルダーの仕組みを理解したところで、実際に値段交渉を行う際に押さえるべきポイントを確認しましょう。




この2つは絶対です。何度も読んで確実に理解してください
(1) 売り出し初期価格の把握
売り出し初期価格は絶対に把握しておく必要があります。
なぜなら、初期価格が分からなければ、現在の価格がデッドラインからどれくらい離れているのかを判断できないからです。
初期価格が5000万円だった物件が4500万円になっているのと、4800万円から4500万円になっているのでは、値段交渉の余地が大きく異なります。




確かに!最初の価格が分からんかったら、今が買い時かどうか判断できへんな
(2) 値段改定の経緯・回数の把握
値段改定が何回あったのかという経緯も、必ず把握しておくべき内容です。
値段改定の回数が多ければ多いほど、デッドラインに近づいている可能性が高くなります。
逆に、まだ1回も値段改定がされていない、または1〜2回程度であれば、まだ値下げの余地がある可能性があります。
(3) この2つの情報がなぜ重要なのか
この2つの情報を把握することで、以下のことが判断できます。
- 現在の価格がデッドラインからどれくらい離れているか
- 値段交渉の余地がどれくらいあるか
- 今が買い時なのか、もう少し待つべきなのか
不動産ポータルサイトの履歴機能や、定期的なチェックによって、これらの情報を収集することができます。




ゼロ仲介では、こういった情報収集もすべてお手伝いします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
パワービルダーの値付けの仕組みと値段交渉のポイントについて解説してきました。
- パワービルダーは規模の経済と分離発注で大幅なコスト削減を実現
- 利益1割、販管費1割、合計粗利2割という利益構造
- 売り出し価格から2割減(または1割減)のデッドラインは絶対に守られる
- 値段交渉には「売り出し初期価格」と「値段改定の経緯・回数」の把握が必須
パワービルダーの仕組みを理解することで、値段交渉を有利に進めることができます。
(1) さらに住宅購入コストを削減する方法
ここまで読んでいただいた方なら、パワービルダーの値段交渉のコツは理解できたと思います。




よし、じゃあ値段交渉頑張るで!
でも、ちょっと待ってください。
パワービルダーの仕組みを理解して物件価格の交渉を成功させたとしても、新築一戸建て購入時には通常、物件価格の約3%(5000万円の物件なら約150万円)もの仲介手数料がかかります。
せっかく値段交渉で100万円値引きできても、仲介手数料で150万円取られたら意味ないですよね。




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