こんにちは。ゼロ仲介の鈴木です。

新築一戸建て欲しいけど、今は住宅価格が高騰してるって聞くし…




パワービルダーの建売住宅って実際どうなん?




値段が上がり続けるなら今買うべき?それとも様子見?
なんて悩んでいませんか?
実は、パワービルダーの動向を知ることで、最適な住宅購入のタイミングが見えてきます。
この記事では、新築建売住宅市場の現状と、パワービルダー各社の最新動向を徹底解説します。
パワービルダーとは
パワービルダーとは、低価格帯の戸建て住宅を大量に供給する住宅メーカーのことです。大規模な土地開発から規格化された住宅の建設、販売までをワンストップで手がけています。
① パワービルダーの特徴とビジネスモデル




パワービルダー系の住宅は基本的に「仲介物件」と呼ばれています
「仲介物件」とは、物件の販売を仲介会社に任せるビジネスモデルのこと。パワービルダーはこの方法で全国各地に効率的な販売網を構築しています。




仲介物件って、どんなメリットがあるん?
購入者の視点で見ると、仲介手数料無料で購入できる可能性があります。仲介手数料無料の不動産会社を探せば、購入時の諸費用を節約して購入できることが多いんです。




新築一戸建て建売住宅を買うなら、仲介手数料無料の不動産会社から購入するのがおすすめです
② 主要なパワービルダー企業
新築建売住宅市場で最大のシェアを誇るのが飯田グループです。




飯田グループはすごいんです。全国レベルで見ると、新築建売住宅購入者の3人に1人は飯田グループ系の建売りを買っているという圧倒的なシェアを持っています。
飯田グループは次の6社が経営統合したグループ企業です。
その他の主要企業として、ファースト住建やメルディアDCなども重要な位置を占めています。ファースト住建は元々飯田グループから独立した企業で、現在は近畿圏を中心に展開。メルディアDCは最近オープンハウスグループに買収され、業界内で大きな話題となりました。
建売住宅最大の魅力は、注文住宅と比べて手頃な価格で新築一戸建てが手に入ること。
パワービルダーが供給する建売住宅は、効率化された建築プロセスによる価格メリットがあります。予算に制約がある方でもマイホームの夢を実現できる可能性が高いんです。
現在の建売住宅市場の状況
① 住宅価格高騰の現実
2020年以降、新築戸建ての価格は上昇し続けています。




UUMOリサーチセンターの調査によると、2023年の平均購入価格は4,515万円に達しました。これは2014年の調査開始以降、最高額です。
この価格上昇の主な要因は3つあります。
- 1. 建築資材や住宅設備の値上がり
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「ウッドショック」やウクライナ情勢による建築資材不足、運搬エネルギー価格の高騰などが影響。日本建設業連合会によると、建築資材は2021年から2024年までの3年間で約30%も上昇しています。
- 2. 人件費の高騰
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働き方改革による職人の人手不足で、人件費が大幅に上昇。
- 3. 地価の上昇
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特に都心部を中心に地価が上昇し、これも住宅価格の上昇に拍車をかけています。




こんなに価格上がってるなら、もう少し様子見た方がいいんちゃうん?




実は逆です。価格上昇が続く今だからこそ、早めに購入を決断すれば将来的な値上がりを回避できる可能性が高いんです。
今の建売住宅は省エネ性能も向上していて、長期的には光熱費の削減につながり、資産価値も維持しやすくなっています。
② パワービルダー各社の業績悪化
住宅価格の上昇にもかかわらず、パワービルダー各社は業績悪化に直面しています。
飯田グループホールディングスは2024年3月期の連結最終利益を当初予想の700億円から300億円に55.7%も下方修正。ちなみに注文住宅を主力とするタマホームも大幅減益となっています。
飯田グループの決算分析によると、売上はわずかな減収ながら、利益面では大幅な減益となっています。
2024年3月期の第3四半期までの業績では、
- 売上高:前期比0.2%減
- 営業利益:43.9%減
- 純利益:53%減
この背景にあるのは、原価の高騰を販売価格に十分転嫁できていないこと。第2四半期では、1戸あたりの原価が36万円増加したにもかかわらず、販売単価は17万円下落しました。




この状況は、購入者にとってはむしろチャンス。各社が在庫を抱え価格調整を行っているので、今なら好条件で購入できる可能性が高いんです。
特に完成在庫の早期販売を目指している物件では、思い切った価格引き下げが行われているケースもあります。
③ 都心部と郊外の需要格差
住宅市場では、都心部と郊外で明確な需要格差が生じています。




埼玉では大宮より北、東京では武蔵小金井駅より西側など、都心から離れた地域では「全然物件売れないよ」という声がよく聞かれます
一方、都心部では高級路線の戸建てにシフトする動きも。「常南地区」と呼ばれる東京の高級住宅地では、従来の上限とされていた1億5000万円をはるかに超える2億円、3億円という超高級建売住宅が登場し、一定の成功を収めています。




郊外の物件が売れへんってことは、値下げしてるん?




その通りです。郊外の建売住宅は今、コストパフォーマンスに優れたチャンス物件になっています
都心へのアクセスを重視しつつも、少し郊外に目を向けることで、同じ予算でより広い土地や充実した設備の住宅を手に入れられる可能性が高いです。
特に在宅勤務が普及した現代では、毎日の通勤距離よりも住環境の質を優先する選択も十分アリですよ。
パワービルダー各社の戦略と動向
① 飯田グループの経営統合と戦略
飯田グループは2013年に6社の経営統合を行い、市場での競争力を高めています。各社がエリアごとに役割分担し、経営資源を効率的に活用する戦略です。




日本市場の飽和を見据えて、海外進出も積極的に進めています。これはめちゃ重要なポイントです!
- 飯田産業:ロシアに進出(ウクライナ紛争前から)
- アーネストワン:中国、アメリカ(アトランタ)、東南アジア(タイ;ベトナム・インドネシア)へ進出
- 東栄住宅:フィリピン・マニラに進出
このような大手グループの戦略的統合は、消費者にとっては品質と価格のバランスが取れた住宅の供給が期待できることを意味します。




でも、大手やから安心って言えへんのちゃうん?




大手パワービルダーが手掛ける建売住宅は、長年の実績と豊富な建築ノウハウに裏打ちされた品質の安定性が強みです。
アフターサービス体制も整っていることが多く、購入後の安心感につながります。
② ファースト住建の事業展開
ファースト住建は、飯田グループからの経営統合の誘いを断り、独自の道を歩んでいます。




ファースト住建は近畿圏に13拠点、東海エリアに4拠点、首都圏に2拠点、広島に1拠点、福岡に1拠点と、合計21の営業拠点を持っています。特に近畿圏での展開に注力しているのが特徴です
2024年8月には、注文住宅事業を強化するために、神戸・明石エリアで知名度のある克己住宅を買収しました。これにより近畿エリアでの地盤を固めつつ、注文住宅分野での成長を図る戦略です。
このような建売住宅と注文住宅の両方を手掛ける企業の増加は、消費者にとって選択肢の幅が広がるメリットがあります。
建売住宅を基本としながらも、部分的にカスタマイズできるプランが増えるなど、建売と注文の中間的な商品も今後増えていく可能性があります。
③ オープンハウスによるメルディアDC買収の影響
業界内で話題となったのが、オープンハウスによるメルディアDCの買収です。




両社はビジネスモデルが大きく異なるんです。これがなぜ業界で話題になったのか説明します。
メルディアDCはパワービルダー系の「仲介物件」モデルを採用。一方、オープンハウスは「自社売り」、つまり自社の営業マンが直接販売するモデルを展開しています。
オープンハウスは強力な営業力で知られており、「契約するまでは帰らせてくれない」と言われるほどの圧のかかった営業スタイルが特徴です。




そんな違う会社が一緒になって、どうなるん?
買収後、土地情報を持ち込んでも折り返しの対応をしてくれないケースが増えたという声もあり、グループ内でお金の循環を強化しようとする動きが見られます。
このような業界再編は、各社のサービスの差別化や品質向上につながる可能性があります。
消費者目線で見れば、営業力の強いオープンハウスのノウハウが導入されることで、より丁寧な説明や購入後のフォローが期待できるかもしれません。
④ 高級路線へのシフト
市場が厳しさを増す中、一部のビルダーは高級路線へのシフトを図っています。




特に都心部では「中途半端に高い」ではなく、「突き抜けた高い価格設定」で市場に新築供給する会社が増えています。
建築費の高騰により原価圧縮に限界がある中、高価格帯の住宅を提供し富裕層をターゲットにすることで、利益確保を目指す戦略です。東京の一等地では2億円、3億円という従来の建売住宅では考えられなかった価格帯の物件が登場しています。




そんな高級路線に行っても、普通の人には関係ないんちゃうん?




いえいえ、実はこの傾向は中価格帯の建売住宅にも良い影響をもたらします
高級路線で培った技術やデザイン性が一般の建売住宅にも波及し、住宅全体の品質が底上げされることで、購入者全体にとってのメリットとなるんです。
今後の住宅市場の見通し
① 住宅価格の今後の予測
専門家によれば、住宅価格が下がる要素は当面見当たらないとされています。
原油高の継続、トラックドライバーの時間外労働時間制限(「2024年問題」)による運搬費の高騰、そして世界的な脱炭素の取り組みの加速など、様々な要因が価格上昇に影響しています。




特に注目すべきは、2025年4月以降に全ての建築物に「省エネ基準」への適合が義務付けられる点です!
具体的には、断熱等級4、一次エネルギー消費量等級4以上を満たすことが必要になり、これに伴う建築コストの上昇は避けられない見通しです。
ただし、断熱などの省エネ基準が引き上げられることで住宅の品質が向上し、長期的には価値が下がりにくい住宅が増えるという側面もあります。「何十年も住み継いでいける家づくり」が進み、日本の住宅に対する意識の変革期となる可能性も指摘されています。




この観点からすると、今のタイミングでの新築建売住宅の購入は将来的な価格上昇を回避する賢明な選択になり得るんです!
特に2025年の省エネ基準義務化前の最後の機会として、比較的コストパフォーマンスの良い住宅を手に入れるラストチャンスとも言えるでしょう。
② 限られた予算で新築一戸建て建売住宅を探す方法
住宅価格が高騰する中でも、限られた予算内で新築一戸建てを探すための方法はあります:
- 1.エリアを変える
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駅や商業施設から離れている、特急や急行が停車しない駅の周辺など、自分たちが許容できる範囲でエリアを変え、土地代を抑える。
- 2.ローコスト建売住宅を選ぶ
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飯田グループなど、間取りをパターン化したり、設備仕様を絞って共通化するなどの工夫で、高品質な住宅を安く建てることを得意とする会社を選ぶ。




結局、建売住宅と注文住宅はどっちがいいん?




建売住宅の最大のメリットは、「百聞は一見にしかず」という言葉通り、実際に完成した状態を見て購入判断ができることです!
図面や3Dモデルではなく実際の空間を体感できることは大きな安心感につながります。また、引き渡し後すぐに入居できる点も魅力の一つです。注文住宅では設計から完成まで時間がかかりますが、建売住宅ならその待ち時間を大幅に短縮できます。
② 購入タイミングの考え方
「住宅価格が高騰しているので、様子を見るべきか」という疑問に対しては、専門家は「ライフステージを考慮して決断すべき」とアドバイスしています。




価格の様子を見ているうちに、家を建てるタイミングを逃してしまうリスクも考慮すべきです
例えば、子ども部屋がある広いリビングの家を建てたものの、子どもはその部屋を数年しか使わずに家を出てしまうというケースは避けたいものです。
また、不景気になれば住宅価格が下がる可能性はあるものの、同時に給与やボーナスも減少する可能性があり、購入マインドも低下します。住宅ローン金利も、インフレの影響で上昇する可能性があります。
専門家は「住宅は利用価値を重視するべきで、資産価値は付随的でよい」という考え方を示しています。




新築一戸建ての持つ「新しいスタート」の象徴としての価値も見逃せません
家族の記念日や子どもの成長、季節の変化など、様々な思い出が積み重なっていく舞台として、新築住宅には特別な意味があります。誰も住んだことのない空間で、自分たち家族だけの歴史を刻んでいく喜びは、建売住宅購入の大きな魅力の一つです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。パワービルダーを中心とした新築建売住宅市場は、資材高騰や人件費上昇、地価上昇などの影響で厳しい状況に直面しています。
特に郊外では需要の減少が顕著で、一方で都心部では高級路線へのシフトや差別化戦略が見られます。
しかし、このような市場環境だからこそ、消費者にとっては新築建売住宅を購入する好機と捉えることができます。価格上昇が続く中、今購入することで将来的な値上がりを回避できる可能性があります。
また、在庫調整のためにお得な価格設定になっている物件もあり、タイミングによっては理想の住まいを予算内で手に入れられるチャンスです。
飯田グループをはじめとする各社は、経営統合や海外進出、注文住宅事業の強化など、様々な生き残り策を模索しています。
住宅価格は当面下がる見通しはなく、2025年からの省エネ基準義務化によるコスト上昇も予想されています。
新築建売住宅の魅力は、価格の手頃さだけでなく、完成した住宅を実際に見て判断できる安心感、短い待機期間、そして新しい暮らしをすぐに始められる即時性にあります。
自分たち家族だけの思い出を新しく刻んでいける特別な空間として、多くの人にとって大きな魅力となるでしょう。
住宅購入を検討している方は、価格の様子見よりも、自身のライフステージを重視した判断が重要です。住宅は単なる資産ではなく、家族が快適に暮らすための場所です。
長期的な視点で、自分たちのライフスタイルに合った住まいを選ぶことが何よりも大切です。
今こそ、新築建売住宅という選択肢を真剣に検討してみる価値があるのかもしれません。