2024年現在、副業を持つサラリーマンが増加していますが、副業収入が住宅ローン審査にどのように影響するかについては誤解されている方が多いです。
この記事では、副業収入の取り扱いや審査への影響、注意点についてくわしく解説します。
副業収入を住宅ローン審査に有利に活用するためのポイントも、具体例を交えて紹介します。
1. 副業収入と住宅ローン審査の関係
副業やアルバイトによる収入は、みなさんが考えるほどかんたんには住宅ローン審査に反映されません。
銀行は主に本業の給与収入を重視し、副業収入は安定性が低いと判断される傾向があります。
銀行が副業収入を重視しない理由
- 継続性の不確実さ:副業は本業に比べて継続が保証されていない
- 収入の変動:月ごとの収入が安定していないことが多い
- 本業への影響:副業が本業のパフォーマンスに悪影響を与える可能性
Aさん(35歳)は、本業の年収が500万円で、副業のウェブデザインで年間100万円の収入があります。
Aさんは、合計600万円の年収で審査してもらえると思っていましたが、実際には本業の500万円のみが考慮される結果となりました。
2. 副業収入が審査に与える影響
住宅ローンの種類によって、副業収入の扱いが異なる場合があります。
例えば、フラット35では、一定の条件を満たせば副業収入を考慮してもらえる可能性があります。
フラット35での副業収入の取り扱い:
- 2年以上の継続的な収入実績が必要
- 確定申告書の写しが必要
一般的な銀行の住宅ローンでの副業収入の取り扱い
- 銀行独自の審査基準があり、フラット35よりも厳しいことが多い
- 副業の種類や内容によって判断が異なる
- 収入証明書類の提出が必要
Bさん(28歳)は、本業の年収が400万円で、週末に行っているヨガインストラクターの副業で年間80万円の収入があります。
フラット35を利用する際、2年以上の実績があるヨガインストラクターの収入が認められ、480万円の年収として審査されました。
3. 審査で副業収入を認めてもらうための条件
副業収入を住宅ローン審査に反映してもらうには、いくつかの条件があります。
結構ハードル高めやな。。
継続性
- 最低でも1年以上、理想的には2年以上の実績が必要
- 月々の収入が安定していることが重要
証明書類:
- 給与明細:副業先から発行された正式な給与明細
- 確定申告書:直近2年分の確定申告書(第一表、第二表、収支内訳書)
- 源泉徴収票:副業先から発行された源泉徴収票
- 契約書:継続的な業務委託契約があることを示す書類
安定性
- 毎月安定した収入があることが理想的
- 季節変動がある場合は、年間を通じての平均収入が考慮される場合もある
副業の種類
- 本業との関連性がある副業は評価されやすい
- 専門性の高い副業(例:講師、コンサルタント)は安定性があると判断されやすい
Cさん(40歳)は、本業の年収が600万円で、副業のプログラミング講師として月5万円の収入があります。この副業を2年間継続し、確定申告も行っていました。
ある銀行では、この副業収入を考慮してもらえましたが、別の銀行では副業収入は認められませんでした。
4. 副業収入の申告と税金の注意点
副業収入がある場合、確定申告は非常に重要です。申告していない収入は、住宅ローン審査では一切考慮されません。
確定申告が必要なケース
- 副業収入が年間20万円を超える場合
- 副業先で源泉徴収されていない場合
確定申告のメリット
- 収入の証明になる
- 経費を差し引いた実質的な収入を示せる
- 適切な納税により、信用力が向上する
注意点
- 副業開始時から適切に記録を取っておく
- 経費の計上は適切に行う(過大な経費計上は問題となる可能性がある)
- 期限内に確定申告を行う
Dさん(32歳)は、本業の年収が450万円で、副業のイラスト制作で年間70万円の収入がありました。
しかし、確定申告を行っていなかったため、住宅ローン審査では副業収入がまったく考慮されませんでした。さらに、税務上の問題も指摘されてしまいました。
5. 住宅ローン審査を有利に進めるための戦略
副業収入をプラスにして、住宅ローン審査を有利に進めるためには、計画的な準備が必要です。
本業での収入増加を目指す:
- 残業や休日出勤を増やし、時間外手当を増やす
- 資格取得やスキルアップにより、昇給や昇格を目指す
- 転職によりベースアップを図る(ただし、勤続年数にも注意)
副業の安定性を高める:
- 長期契約の副業を選ぶ
- 複数の副業を持ち、リスク分散を図る
- 副業の専門性を高め、単価アップを目指す
適切な時期に申請する:
- 本業の収入が一番高い年に審査する(源泉徴収票の額面が一番高い年に審査する)
- 副業収入が最も安定している時期を選ぶ
事前相談を活用する:
- 複数の金融機関に直接相談し、副業収入の扱いを自分で確認する
- 不動産会社を通じて、副業をプラスに審査してくれる金融機関を紹介してもらう
Eさん(37歳)は、住宅ローンの事前審査を考えていました。本業の年収は550万円でしたが、副業収入を含めると700万円になります。
Eさんは以下の戦略を立てました:
- 本業で積極的に残業し、年収を580万円に引き上げました。
- 副業の翻訳の仕事を2年間継続し、安定した収入を証明できるようにしました。
- 12月の給与明細が最も高額になるタイミングを狙ってローンの事前審査を行いました。
- 事前に複数の金融機関に相談し、副業収入を考慮してくれる銀行を見つけました。
結果として、Eさんは希望の条件で住宅ローンを組むことができました。
6. まとめ
副業収入は、住宅ローン審査において思ったほど有利に働かない場合が多いですが、適切な準備と戦略により、審査に好影響を与えることも可能です。
改めて以下の点に注意してください
- 副業収入の継続性と安定性を高める
- 適切な確定申告と税務管理を行う
- 本業での収入増加も並行して目指す
- 複数の金融機関に相談し、自分に適した条件を探す
- 長期的な視点で計画を立て、準備する
副業を含めた総合的な収入計画と、慎重な金融機関選びにより、より有利な条件での住宅ローン獲得が可能になります。
ただし、個々の状況によって最適な戦略は異なるため、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
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