この記事では、奨学金返済中の方が住宅ローンを組む際の影響と対策についてくわしく解説します。
奨学金の返済が住宅ローンの審査にどのように影響するか、審査時の奨学金の申告しないといけないのか、しなくていいのか。
そして具体的な対処法まで、実例を交えてわかりやすく説明していきます。
結論、奨学金を返済中でも住宅ローンの借り入れは可能です
奨学金返済と住宅ローン審査の関係
奨学金の返済は、住宅ローンの審査に影響を与える可能性があります。銀行は、ローンの審査時に借入れ状況を確認するためです。
例えば、月々3万円の奨学金返済をしている場合、銀行に申告すれば借入れとみなされ住宅ローンの借入可能額に影響します。具体的には、3,000万円まで借りられると思っていた人が、奨学金を申告することによって2,000万円程度しか借りられなくなる可能性があるのです。
申告しなかったら?
申告しなかったら借入れとみなされません
奨学金返済中の場合、申告する?申告しない?
住宅ローンの事前審査時、奨学金を返済していることについては申告しなかったら借入れとみなされません。奨学金の存在は申告しなければ、銀行は知る手段がないんです(クルマのローン、リボ払いなどについては銀行は調べてわかります)。
つまり、奨学金返済中だということを
銀行に | 申告しない銀行に申告する |
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奨学金返済中を申告しない ↓ 銀行が知ることはない ↓ 審査に影響しない ↓ 借入可能額に影響なし | 奨学金返済中を申告する ↓ 銀行が奨学金の返済を知る ↓ 審査に大きく影響する ↓ 借入可能額が少なくなる |
住宅ローンの事前審査で奨学金の返済状況を申告するかどうかは、難しい判断となります。
申告しない場合、銀行側が奨学金の返済状況を知ることは通常ありません。
ただし、奨学金返済の延滞情報がある場合は別です。延滞情報はCIC(信用情報機関)に登録される可能性があり、その場合は銀行側に把握される可能性があります。
この場合は奨学金の返済中だと伝えてください
過去に奨学金の返済が遅れたことがあり、個人信用情報を取得したら奨学金の返済の遅れの記載がある場合は銀行に奨学金を返済中だと申告してください。
奨学金の返済を銀行も個人信用情報を通じて知ることになり、申告しないと「借入を隠している」と判断されて審査が不利になる可能性があります。
ご自身で判断が難しい場合は、住宅ローンにくわしい営業マンに必ず相談してください
奨学金返済中を申告するメリットとデメリット
これまでの経験をもとにメリットとデメリットを考えてみましたが、、
- メリット:
-
申告することによるメリットはありません。
- デメリット:
-
- 借入可能額が少なくなる可能性がある
- 審査が通りにくくなる可能性がある
例えば、夫婦で住宅ローンを組む場合、二人とも奨学金返済中で二人とも申告した場合、夫婦で収入合算しても借入可能額が大幅に下がる可能性があります。
奨学金を毎月きちんと返済してる場合、事前審査時に申告するメリットはありません
奨学金の返済に遅れてしまっている場合はどうしたらいい?
奨学金の返済に遅れた記憶がある場合の手続きをまとめました。具体的にはこんな流れです。
→ 住宅ローン事前審査時に奨学金については申告しない
→ 住宅ローン事前審査時に奨学金について申告すべきか、不動産営業マンに相談する
具体的な事例紹介
- 奨学金返済額:月3万円
- 希望の借入額:3,000万円
Aさんは奨学金返済に遅れたことはないが、奨学金を返済中だと申告したところ、「借入あり」とみなされ、借入可能額が2,000万円に減少しました。購入希望額に足りず、物件の変更を余儀なくされました。
- 奨学金返済額:月3万円
- 希望の借入額:3,000万円
Bさんは、奨学金返済中ですが返済に遅れたことがないため住宅ローンの事前審査にあたり奨学金返済中については申告しませんでした。そのため、審査に影響はなく希望額3,000万円を借り入れできました。
まとめ
奨学金の返済は住宅ローンの審査に影響を与える可能性がありますが、適切な対策を取ることで夢のマイホーム購入は可能です。
自身の現在の状況をよく把握し、必要に応じて不動産営業マンに相談してみてください。
マイホーム購入という大きな決断を、賢明に進めていきましょう。