こんにちは。ゼロ仲介で住宅ローンを担当しております、株式会社グラウンドの田中です。
銀行に住宅ローンの事前審査に出したのに、落ちた。承認されなかった。
なんで?
と思いますよね。
でも銀行は、事前審査に落ちた理由を教えてくれないことがほとんどなんです
元・三井住友銀行住宅ローン担当、ファイナンシャルプランナーの私が、
「銀行の住宅ローン担当者から聞いた住宅ローンの審査で落ちる理由」
と
「実際の落ちた事例」
をもとにした審査に落ちる理由「全15パターン」
を書きました。
- 一発で落ちる理由
- いくつかの理由の組み合わせで落ちるもの
それぞれを分けて書いています。
参考にしていただけたら嬉しいです。
▶元三井住友銀行住宅ローン融資課、現・ゼロ仲介、ファイナンシャルプランナー田中のくわしいプロフィールはこちら
絶対に住宅ローンの審査に落ちる原因(一発でアウトなやつ)
(1)指定信用情報機関(CIC)に「異動」の文字がある
これはもう一発でアウトです。
絶対に住宅ローンの審査に落ちます。
いきなりですが、異動の場合対策です
個人信用情報(CIC)に「異動」の記載があると、住宅ローンには通りません。
右上に記載の異動情報の保有期間(最長5年)が終わるまで待ってから審査を。
異動になっていると、公務員でもお勤め先が一部上場企業でもダメです(過去にそれぞれお客さんでいらっしゃいました)。
「異動」=「ブラックリスト」と思っていただけたらわかりやすいかと。
異動があるとほんとにダメです。
どの金融機関に住宅ローンの事前審査をだしても落ちます
それもすごいスピードで(即日とか数時間とか)
「異動」はカードの支払いなどの延滞が61日以上あると個人信用情報(CIC)に書き込まれる可能性があります。
「異動」があると、CICにこのように↓記載されます。
スマホからも請求できるで
いくつかの組み合わせで落ちる可能性が高くなる原因
ここからは、決定的なひとつの理由ではなく、いくつかの組み合わせで住宅ローンの審査に落ちるものを書いていきます。
「これがあったら確実に住宅ローンの審査に落ちる!」ていうものはありません。
これまでの経験上、住宅ローンの審査に落ちる方は、これから書くいくつかに該当していました
(1)個人信用情報に関係するもの 2パターン
① 過去に借り入れ(特に消費者金融)があって返済が遅れたことがたびたびある
いきなりですが対策です
基本的には、消費者金融からの借り入れは、過去なら大丈夫(でも返済に遅れがないのが前提です)。
「基本的には」という書き方をしたのは、消費者金融から借りていること自体がダメ、という銀行が一部あるからです(下の②に書きました)。
消費者金融からの借り入れが過去にあって、返済が遅れたことがよくある場合、急にきびしい状況になります。
*返済の遅れがあると、指定信用情報機関(CIC)にこんな感じで載ります。
「奨学金を借りている場合、住宅ローンの借り入れに影響があるか」についてゼロ仲介チャンネルでご説明していますので、見ていただけましたら!
② 現在、消費者金融に借り入れがある
というわけで対策です
消費者金融の借り入れは、すべて一括完済。
消費者金融から借り入れがあるというだけで、落ちる可能性が高いです。
金融機関によっては、現在消費者金融に借り入れがあるだけでダメなところもあります。
一般的に都市銀行(メガバンク)は、消費者金融からの借り入れ、とくにキャッシングがあるだけで住宅ローンの事前審査に落ちます。
アイフル、アコム、プロミス、レイク、バンクイック、モビット、オリックスクレジット など。
地方銀行には、消費者金融からの借り入れをしていること自体は、特に問題にしない銀行もあります。
ただ、実際に現在借り入れをしていなくても、キャッシングの枠の金額(50万円とか70万円とか)を返済負担率に計算する場合があるので注意してください。
キャッシング枠のあるカードを保有していることを銀行へ事前に申告しておくか、事前審査前にカードを解約しておくことで対応してください。
*消費者金融に借り入れがあると、現在・過去もあわせて指定信用情報機関(JICC)にこんな感じで載ります。
「クルマのローンが他にあったら、住宅ローンとまとめることはできる?」について弊社YouTubeチャンネルでご説明していますので、見ていただけましたら!
(2)借り入れ希望額の上限に関係しているもの 2パターン
① 返済負担率目いっぱいの申込み
と言うわけで対策です
借入金額を低くする(=返済負担率を下げる)。
そのためには、
- 自己資金を入れる
- 物件を安いものに変更する
- (可能なら)奥さんを収入合算する
が具体的な方法です
銀行は、「この年収に対して、これくらいなら貸してもいい」という数値を決めています。
「年収400万円の人なら、1ヶ月に住宅ローンの返済にあてることができるのは〇〇万円まで」という感じで。
この割合を、返済負担率といいます
返済負担率が目いっぱい借り入れの申込みをすると、審査がきびしくなります。
年収から計算できる借入可能額は、あくまで目安です。
そのほかの条件が最高で一番いいとしての、最大の借入金額(あくまで計算上の数字)です。仮にそのほかの条件がマイナス評価だった場合)、返済負担率が目いっぱいの借り入れ申込みは落ちてしまう可能性があります。
よく物件広告に記載がある、「こちらの物件はフルローン可能の意味は?」について弊社YouTubeチャンネルでご説明していますので、見ていただけましたら!
② すでにほかにも借り入れ(ローン)がある
と言うわけで対策です
基本はほかのローンを一括返済する(=返済負担率を下げる)。
その他には、
- 物件を安いものに変更する
- (可能なら)奥さんを収入合算する
が具体的な方法です。
消費者金融では借り入れがないけど、いま現在ローンがあることがあります。
それはこんなローンが現在ある場合です。
- クルマのローン
- リボ払い
- 投資用マンションのローン
ちなみに、クレジットカードのショッピング1回払いは、銀行は住宅ローンの借り入れの計算に入れません。
でも、ショッピング1回払いも支払いが遅れたら、指定信用情報機関(CIC・JICC)に「支払い遅れ」の情報が載りますで、注意してください。
クルマのローン、リボ払いがある場合は、返済負担率に算入して住宅ローンの借り入れ可能額を計算しますので、注意してください
▶参考記事:クルマのローン・リボ払いが住宅ローンに与える影響はこちらにくわしく書きました。
「住宅ローンとクルマのローン、どちらを優先したらいい?」について弊社YouTubeチャンネルでご説明していますので、見ていただけましたら!
「投資用マンションをローンで購入していたら、住宅ローンに影響ある?」について弊社YouTubeチャンネルでご説明していますので、見ていただけましたら!
「連帯保証人にはどんな人がなれる?」について弊社YouTubeチャンネルでご説明していますので、見ていただけましたら!
(3)銀行の融資条件を満たしていないもの 5パターン
① 勤続年数が短い
と言うわけで対策です
各銀行のwebサイトに書いている住宅ローン申込みの条件をみると、勤続3年以上と書いている場合が一番多いです。
ただ、実際に銀行の住宅ローン担当さんと話していると、「勤続1年から審査はできる」というのが実際のところです。
勤続1年未満だとやはり審査は厳しくなります。
バレないと思って、ウソの記載をしても銀行にバレます。
なんで??
健康保険証の加入年月日で入社日を確認しています。
健康保険の加入年月日=入社日です
② 銀行の申込み可能な雇用形態に合ってない
というわけで対策です
たとえば契約社員、たとえば派遣社員、たとえばアルバイト・パート。
各銀行のwebサイトに、「契約社員・派遣社員・アルバイト・パートでも融資可能」といくら書いていても実際は審査が承認になるのは、なかなかむずかしい場合が多いです。
理由は、
雇用の不安定
↓
収入の不安定
↓
返済が不安定になるんじゃないか(リスク)
と考えるからです。
あとは、正社員じゃない場合(例外はもちろんありますが)、収入が少ない場合が多く、審査がきびしめになることがほとんどです
③ 源泉徴収票に歩合給の記載がある
源泉徴収票に「歩合給」というかたちで基本給と別に記載されている場合があります。
歩合給の記載があると、銀行は「給与が変動する」と考えて源泉徴収票×直近3年分、もしくは、毎月の給与明細×2年分(24か月分)などで平均値を出します。
たまたま昨年の歩合給がよくて最高年収のタイミングでお家を購入しようと思っても、うまくいかない場合があります。
というわけで、源泉徴収票に「歩合給」の記載があると直近1年分の資料だけでは、事前審査に落ちてしまうことも。
仮に歩合給でも、給与証明にそれが記載されていないと・・、銀行は気づかないかもしれません
④ 銀行の定める最低年収を満たしていない
というわけで対策です
各銀行には、住宅ローンを融資する条件に最低年収というものを設定しています。
この最低年収は、銀行によってちがい、最低年収300万円だったり、最低年収200万円だったり、最低年収150万円だったり。
一般的には、都市銀行>地方銀行の順に最低年収が高め(基準がきびしめ)に設定されています。
確認が必要やな[
⑤ 物件が銀行の融資条件を満たしていない
新築一戸建ての場合はあまり該当することがないのですが、住宅ローンの借り入れを希望している個人の条件は問題なくても、物件が銀行の融資条件を満たしていない場合があります。
この場合も、もちろん審査には通りません。どの銀行も住宅ローンの商品説明に、物件によっては利用できないことを記載しています。
物件が融資条件を満たさないとは、たとえば
- 建ぺい率・容積率オーバーの違法建築
- 隣地へ越境している
- 前の道路が要件を満たさない
- 土地が小さすぎる(銀行の融資基準以下)
などです。
(4)銀行が融資するにあたってリスクだと考えているもの 5パターン
① 会社員で保険が国民健康保険
事前審査では健康保険証(のコピー)を提出します。これは、会社員でも個人事情主でも関係ありません。
会社員の場合、社会保険への加入は義務ですので、社会保険へ加入せず国民健康保険で社員を雇用している会社は、審査する銀行からするとリスクと考える場合がほとんどです。
② 勤務先が親の会社
会社員だけど勤務先が親の会社の場合。この場合も審査がきびしくなります。
理由は、同族の会社だと給与の設定があってないようなものだからです
つまり年収に正当性がない(=いくらにでも設定できる)、ってみているわけです。
住宅ローンの借り入れをする直近1年間だけ年収を上げて操作することができるので、勤務先が親の会社の場合、銀行は収入証明×直近3年分と会社決算書×直近3期分を要求します。
③ 税金(市民税・所得税)を払っていない
銀行は、税金(市民税・所得税)を払っていない方には住宅ローンの融資はしません。
源泉徴収票を見ると、税額の記載欄があります。給料から税金が徴収されていない場合は、もちろんここに税額の記載がありません(0円と記載されます)。
この場合は個人で確定申告をする、という場合が多いです
確定申告をせずに税金を支払っていない場合は、確実に住宅ローンの事前審査に落ちます。
④ 最近離婚してすぐに再婚した
離婚して再婚する、銀行は何を見ているか。
離婚した時に、慰謝料・養育費が発生しているんじゃないか。
毎月の支払額を、この慰謝料・養育費が圧迫するんじゃないか。
上の返済負担率を超えているんじゃないかって考えるんです。
何でわかるかっていうと、去年の源泉徴収票の扶養家族欄に元奥さん(子供)の名前が書いています。
この記載で銀行はわかります
離婚して数年経っていると、源泉徴収票には出ないので、わかりません。
となると、銀行はわからないので・・。
⑤ 独身(男女問わず)
これは、銀行が「え、なんで新築一戸建てを1人で買う?必要?」って考えるんですね。
たとえば、男性ひとりでも、女性ひとりでも1人で新築一戸建てを購入しようとしているなら、銀行からすると謎だらけなんです。
これも銀行からするとリスクなんですね。
⑤ 夫婦だけど奥さんだけで申込みをした
これまで住宅ローンの相談を受けてきまして、本当にたくさん経験してきました。
多くの場合はこの3つのパターン
たとえば、その1
ご主人さんがむかし事業をしていて失敗して、自己破産した。
ご主人さんで住宅ローンは借り入れできないから、嫁だけで。
たとえば、その2
ご主人さんが個人事業主で、申告している収入がめっちゃ低い。
ご主人さんで住宅ローンの借り入れがむずかしいかもしれないから、嫁だけで。
たとえば、その3
ご主人さんが昔、消費者金融から借り入れをしていて、何度も返済が遅れた。
ご主人さんで住宅ローンの借り入れはできないから、嫁だけで。
銀行の住宅ローンの借り入れは、原則
- ご主人さんだけ
- ご主人さん+奥さん
上の①②のどちらか。
奥さんだけで、住宅ローンを申込むと、高確率で落ちます。銀行は、とことんリスクを嫌います
奥さんだけで申込む場合は、ご主人さんを連帯保証人につけることが条件になる場合がほとんどです
連帯保証人になる人(ご主人さん)は、かならず個人信用情報をチェックされます。
ご主人さんが、過去に返済が遅れたことがあったり、現在消費者金融で借り入れがあると、連帯保証人になることができず、奥さん名義でも住宅ローンの借り入れをすることができないかもしれません。
まとめ
事前審査に落ちる理由は分類するといくつかにわけることができます。
ただ、落ちた理由がわからない(教えてもらえない)ので、ブラックボックスのように「よくわからない、審査基準が不明」と思ってしまいがちです。
一番最初に書いた、指定信用情報機関(CIC)に「異動」の文字がある、これは一発で落ちます。
ただ、そのほかの理由は、住宅ローンの審査に落ちる可能性が高くなるものばかりです。
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