こんにちは。ゼロ仲介の鈴木です。
新築一戸建てを購入する際の仲介手数料について、不思議に思ったことはありませんか?

なぜどの不動産会社でも仲介手数料は同じなの?




賃貸では半額や無料の会社があるのに、なんで売買では割引がないの?
そんな疑問を持つ方も多いと思います。
世界的に見てもあんまり透明とは言えない日本の不動産業界。 古ーくからの慣習と関係しています。
そのあたりを書きました。めちゃ大事な内容です。
仲介手数料はいつごろ決められたのか
昭和45年(1970年)10月23日、建設省告示により仲介手数料の上限が定められました。
「(物件の価格の3%+6万)×消費税が上限」
国が決めたんです。
でもそれも55年以上も前のことです。
昭和45年(1970年)といえば、
- 大阪万博が開幕した年
- 日本航空機よど号ハイジャック事件が発生した年
が出来事としてありました。




テレビの中の遠い世界の感じがします。 すごい昔のルールが今も採用されてます
時代も、取り巻く環境も、日本の経済状況も変化しているのに不思議です。
昭和45年(1970年)の不動産業界を想像してみる
この法律が施行された昭和45年(1970年)の不動産業界は今から考えるとかなり不自由だっただろうなー、と想像できます。
- 不動産業者間の物件情報ネットワーク(レインズ)なし
- パソコン・スマホ・プリンターなし
- 契約書や重要事項説明書などの標準書式なし
2025年のいまでは考えられません。




レインズって何?
不動産売買の仲介するのに、不動産会社は大変な苦労があったと思います。
告示から55年以上たった2025年のいま、誰でもかんたんにインターネットで日本中の不動産物件の情報が取り出せ、各不動産会社には各種標準書式やマニュアルも整備されています。
55年前に比べて、不動産業者の事務負担はかなり減っています。




だとしたら仲介手数料もそれに応じて安くなってもいいはずやろ
なのに、実際はどこの不動産会社でも、仲介手数料は「(物件価格の3%+6万)×消費税」のまま。
安くならずに55年以上そのままです。
不動産業界の自主規制がえげつない
不動産物件情報を一般の方に向けて広告するときに不可欠な主要広告媒体(web・チラシ)において、仲介手数料の価格競争させないような自主規制があります。




この自主規制がほんまえげつないわ
たとえば、お家をさがす時の第一歩になることが多いポータルサイト。
SUUMO、HOME’Sです。
各不動産会社がこのポータルサイトと呼ばれているSUUMO・HOME’Sなどに「枠」を購入して、物件情報を掲載しているのですが、目立つ箇所に仲介手数料についての文言は入れることができません。
仲介手数料無料どころか、割引ということも書けません。
仮に仲介手数料について独自のサービスをしていても、ポータルサイトではそのアピールが一切できず、他社との差別化をすることができません。




2025年現在、こんな自主規制の業界は、ほかにはないんじゃないかと思います。 それくらいえげつない自主規制が働いています
「仲介手数料はあたり前の金額」って思い込んでませんか?
こんな感じのえげつない自主規制で、SUUMO・HOME’Sのポータルサイト、どの不動産会社のホームページを見ても、一律の仲介手数料率しか目にしません。
「(物件の価格の3%+6万)×消費税が上限」があたり前と思っていませんか。
仲介手数料の値引きはありえないって思っていませんか。




不動産業界全体が長年にわたってつくりあげた思い込みやで、それ。 ちゃんと「上限」て法律にも書いてるで
世界の不動産市場との差!閉ざされた不動産取引の慣行
不動産業界のイメージでどんな感じでしょうか。
透明でしょうか?
2024年に不動産業界紙上に、世界の不動産市場透明度ランキングというものが掲載されました。
ニューヨーク市場に上場する総合不動産サービス会社ジョーンズラングラサール(JLL)が実施した、「世界の不動産市場透明度ランキング」の最新版です。
日本は、2024年世界22位。




先進国ではかなり下やな
1位のイギリスとポイントの差がどれくらいの差を示すかはわかりませんが、少なくとも南アフリカよりも下。
世界的に見て、日本の不動産市場は不透明、グレーなんでしょう。
不動産業者の淘汰・再編がまったく進んでいない
長引く不況や少子高齢化により。不動産売買の全体量は縮小しています。
最近のニュースで空き家についてのものも多く目にしませんか。
それとは反対に、不動産業者の淘汰再編は、政治政策に守られ一向に進んでいません。
不動産関連の団体が、政治献金をしまくっているからなんですね。
大阪の2025年3月末での不動産業者の数です。 その数、10,500社。
ちなみに大阪府のコンビニの店舗数は4,200店舗ほど。




まさかのコンビニの2.5倍・・。 不動産屋、ちょっと多くない?
不動産売買の取引数の絶対量が減る中で、不動産業者は一回あたりの取引の収入を多く求めます。




これでは、「仲介手数料を安くして差別化をはかろう」なんて発想にはなりませんよね
これからの新築一戸建て購入はどう変わる?
東京では、いろんな仲介サービスが始まっています。
関西ではまだ始まっていないサービスも、東京ではいろんな会社がいろんなサービスを始めています。
特にインターネット業界出身の、不動産業界とはかけ離れた業界出身者が、これまでの不動産業界の常識をぜーーーーんぶ無視したサービスをはじめています。
- 不動産テックスタートアップの台頭:大阪でも複数の不動産テック企業が参入
- 新築一戸建ての仲介手数料0円〜50%オフのサービスが東京では普通に
- バーチャルツアーやAR/VR技術を使った物件内見が増加中
まだひとり勝ちの状況にはなっていませんが、こんなサービスがあるというのが世間に届くことは不動産業界の透明化へつながっていくのではと思います。




関東では、仲介手数料無料で売買なんてあたり前みたいです。 大阪でも広がるのは時間の問題かと思います
大阪で新築一戸建ての購入を賢く進めるポイント
新築一戸建ての価格は、大阪でも高騰しています。
2025年の平均的な価格帯と仲介手数料:
- 5,000万円の物件:156万円(税込)
- 6,000万円の物件:186万円(税込)
- 7,000万円の物件:216万円(税込)




なかなか高い・・・これ安くならへんかな
でも、実は割引を受ける方法はあるんです。
1.仲介手数料の交渉をする
多くの方が知らないことですが、仲介手数料は交渉可能です。




「交渉できるなんて知りませんでした」という方がほとんどです
交渉のポイントはこんな感じです。
- 最初から上限金額を提示されても、「割引はできませんか?」と尋ねてみる
- 複数の不動産会社に相談し、手数料の比較をする
- 大手だから安心という思い込みを捨て、サービス内容で判断する
最新データによると、交渉を行った購入者の約65%が何らかの割引を獲得しています。
2.新しいタイプの仲介サービスを検討する
2025年、こんな新しいサービスが出てきています。
- オンライン特化型仲介サービス:物理的な店舗を持たず仲介手数料を30〜50%オフ
- AI活用型マッチングサービス:好みや条件に合った物件を自動提案
- 定額制仲介サービス:物件価格に関わらず定額(例:50万円)の仲介料




めっちゃあるな
これらのサービスは従来型の対面サービスと比較しても、顧客満足度調査で遜色ない評価を得ています。
3.ハイブリッドアプローチを検討する
2025年のトレンドとして、オンラインと対面サービスを組み合わせた購入方法が注目されています。
こんな感じです。
- 初期の物件検索はAIやオンラインツールを活用
- 気に入った物件の内見や最終交渉は従来型の対面サービスを利用
- 電子契約と重要事項説明のオンライン化で手続きを効率化
このハイブリッド戦略により、平均で仲介手数料の25〜40%の削減に成功している購入者が増えています。




この方法がいま一番おすすめです。ネットの便利さと対面の安心感、両方のいいとこ取りができます
4.将来の資産価値を重視した物件選び
2025年の不動産市場では、立地による資産価値の二極化がさらに進んでいます。
- 駅近・利便性の高いエリアの物件は価格上昇傾向が続く
- 郊外の利便性に劣るエリアは価格下落リスクが高まる
- 高齢化社会の進行により、医療施設・生活インフラへのアクセスの重要性が増加




立地選びって、そんなに大事なん?




めちゃ大事です!最新データでは、駅徒歩10分圏内と15分以上のエリアで、5年間の資産価値変動に約15%もの差が出ています
仲介手数料を節約したとしても、立地選びを間違えると長期的にはもっと大きな損をする可能性があります。
5.住宅ローンと仲介手数料の総合的検討
2025年の低金利環境においても、住宅ローンと仲介手数料の関係は重要です。
- 仲介手数料を含めた借入額の増加は、総返済額に大きく影響
- 仲介手数料100万円の削減は、35年ローンで約150万円の総返済額削減に相当
- 同じ予算内でより良質な物件を購入できる可能性が高まる




住宅ローンを組むチャンスは一回だと思ってください。仲介手数料の削減分で、より良い物件を購入するか、借入額を減らすか、かしこく判断しましょう
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新築一戸建て購入時の仲介手数料は、55年前に決められた古い基準のまま、2025年現在もほとんど変わっていません。
でも、この記事でご紹介したように、
- 仲介手数料は交渉可能
- 新しいタイプの仲介サービスの利用
- ハイブリッドアプローチの検討
- 将来の資産価値を重視した立地選び
- 住宅ローンと仲介手数料の総合的検討
この5つのポイントを意識すれば、無駄な費用を抑えつつ、賢く新築一戸建てを購入することができます。
「仲介手数料は(物件価格の3%+6万円)×消費税が当然」という思い込みから脱却しましょう。
新築一戸建て購入は一生に一度の大きな買い物です。少しの工夫と知識で、数百万円単位の節約ができるかもしれません。




何度も読んで確実に手続きを進めてください。大きな買い物だからこそ、賢く進めましょう


